庭を見ると

　久々に、何も予定のないお休みで、一日だらだらと片付けに取り組んだ。ここ一週間、結構落ち込んでいたので、地震関連情報ではなくて、脳天気にテレビドラマなんか見ながらここしばらくの間にぐだぐだになった部屋を片付けた。カーテンも窓も開けて、光と風を入れてその明るい日差しの中で座り込んで、ぼつぼつと片付ける。

　
　片付けをしながらふと窓の外を見ると、スズメがやってきた。次々に地面に降りた５．６羽のスズメは、一心に地面の草をついばんでいる。草の種やら花を食べているらしい。スズメまでの距離は、ほんの２．３ｍしかないのに、食べるのに夢中なスズメはこちらを気にする気配もない。それでも、スズメを驚かさぬように、動きをやめて眺めた。

　
　すると、ゴモジの木の中にも動くものがいるのに気づいた。小さな緑のそれはメジロで、咲き始めたゴモジの花を次々に訪れている。更に、大きな丸い鳥が地面に降りてくる。オリーブグリーンのシロハラ。庭の片隅にたまった枯れ葉をクチバシで散らかして餌を探し、また別の場所でも同じように地面で虫を探している。隅の木の中にも、ヒヨドリが止まっていて、隣のツバキの花を狙っていた。

　
　庭に置いたコンポストの中身が一杯になっていたので、下から堆肥を掘り出してやった。しばらくすると早速ツグミが見つけて、そろそろと近寄って来た。警戒しながら近寄っていたけれど、堆肥の上に着くと夢中になって堆肥をかき分けては虫を次々に平らげていた。長いミミズにハサミムシ。そういったものをずいぶん長い間、堆肥を完全に蹴散らしてそこいら中に広げてしまうまで食べていた。

　
　私は普段家にいないから、全然気づかなかった。けれど、平日の日中の、誰も来ないこの庭は小鳥にとって安全な採食場なのだろう。驚く程たくさんの鳥が利用しているようだ。

　自分の家でさえも、普段いないと新しい発見がたくさんある。

　んが、スズメなんかが来るってことは、庭には草が山ほど生えていて、虫も山ほどって事なんだな。実際、窓から見る庭はとっても緑。って、ほとんど田んぼ並。

　
　ああ、草抜きしなきゃ…。