バイティング・ザ・サン
図書館返却へ向け、必死に読んだ。
- 作者: タニスリー,Tanith Lee,環早苗
- 出版社/メーカー: 産業編集センター
- 発売日: 2004/02/01
- メディア: 単行本
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ていうかね、なんかね、必死にならないと読めないのだ。なんか、ものすごくかったるい本。
ユートピアもので、アンドロイドなんかの機械が全てを提供してくれる世界で、人はただ遊び暮らせばいいだけ。終わることのない乱痴気騒ぎが推賞される日々。そういう世界で、異常なまでにエキセントリックな少女(といっても、この世界では死んでもすぐに体も性も取り替えがきくのだけど)が、世界に違和感を覚え、やがて殺人を犯して、ユートピアを追放される。で、追放された砂漠の中で、植物を育て、命を育み、真実の愛や生きるということの意味を見いだしていく。
って、あまりにも当たり前過ぎて、ひねりなさ過ぎ。
そもそも、機械の奉仕に支えられた、人間は遊ぶだけというユートピアは、何故成立したの?そして、なんちゅうかワガママな少女は、どうしてそうもエキセントリックなのよ。そして、一番わっからないのは、都市を追い出されて砂漠に自ら出て行くのはいいけど、そこであまりにも簡単に植物が栽培できてしまう。そんな簡単に植物が育つ?そして、食料は機械が提供してくれて、水を合成するマシンもくれて・・・。って、あまりにも都合良すぎ。もうちっと、納得のいく世界設定をしないと、あまりにも安易すぎてついていけません。
あと、この世界を特徴づけるなんだろうけど、妙ちきりんなこの世界の表現が決められているのだけど、それを決めることに何か意義があったんだろうか?昔の「さまよえる都市宇宙船」では、挨拶の言葉が「good morning」ではなくて「good eating」だったけど、それはそれで食べることが何より重要だったから、とかいう風に納得のいく設定が成されている。この作品ではそのへんはさっぱり?です。
と言うことで、一応SFという位置づけで、比較的奇麗な本だったので借りてみたのですが、奇麗な状態で維持されているのも、無理はない。借り手も少なかったんだろうなあ。
てか、読むほどの必要なし。
やっぱりタニス・リーは「闇の公子」や「死霊の都」「幻魔の虜囚」あたりのファンタジー作品の方が出来はいいです。SF的には、評価できませんなあ・・・・。