岩手への遠い道

　　　　　（そして何て長文）
出張の朝である。岩手へと向かう朝だ。

　あたしは朝は苦手だし、普段は７時すぎに起きているのだからして、朝５時に起きるのはとてもつらい。だるい。けど、行かねばならぬのよ。あたし、がんばる。と、自分に言い聞かせ、何とか行動開始であるのだ。

　
　ってことで、何とか無事６時に自宅を出発した。幸先の悪さを象徴するように雨がしとしと。台風が近づいている中出かけるわけで、私ら明日は帰れるんかね？でも、とにかく、行くだけは絶対予定どおり行くのだ。行くしかないのだ。

　
　高松空港を予定通り７：３５にJALは出発した。飛行もまずは順調。羽田から浜松町へのモノレールも、ちょうど快速があったし、浜松町から東京駅も山手線に乗り換えて順調。
　同行者が３名いるのだけど、私を含めみんな田舎者だから、慣れない中でトラブルことのないようにしたいと思うわけで、自分自身相当緊張しつつ東北新幹線に到着。でもここまでくれば、ちょっと一安心。新幹線は、乗ってさえいればきちんと走ってくれる。私たちの乗った「はやて１５号」は無事に帝国に出発したし、後は盛岡までぼーっと・・・・。
　
　

　上野をすぎたよな、次は大宮、その次はもう仙台・・・。と、だんだん眠気に誘われてきた。半分眠りこんだ頃、なにやら不規則な揺れが・・・・。

　ん？

　列車が減速してる。停まった・・・よな。マジ？こんな早く仙台につく・・・訳ない。何、これ・・・。だいたいホームでもないし、ここどこ？事故？

　と考えていると、いきなり

「ご迷惑をおかけします。お急ぎのところ申し訳ございませんが、停電により臨時停車をいたします・・・。」

　ってえ！

　えええええーーーーーーーーーーー！

　そりゃ多少は、時間の余裕はみている。けどだね、とはいいつつ、これってどれくらい止まるの？１０分や１５分くらい、いや３０分くらいは余裕あるけど、下手して１時間とか、２時間とかになるとこれはさすがに間に合わない。困ったことだよね、これ・・・。
　

　と、そういう思いは乗り合わせた人は皆一緒らしく、周囲も一斉に携帯を取り出し、メールを始めた。
　「最低！」とか、いう独り言も聞こえる。
　
　そして、だんだん暑くなる・・・・。
　
　そう、停電とともにエアコンも止まったんです。空調がないと、この時期まだまだかなり応える。みるみる上がる温度。斜め前方には、赤ちゃん連れの夫婦もいたりして、泣き出す子供。連れてる母は悲しいねえ。

　ぼーっとしているうちにはや１５分が過ぎた。まだ、動かない。だめ！暑い。さすがに暑くなってきた。ほんとに暑いよ、これは。そろそろ耐え難い。そして、これからどうなるのさ！いつになったら復旧するの？原因は何？

　その辺を心得たように、アナウンスが入った。
　「お急ぎのところ、誠に申し訳ございません。まだ・・・。」と。
　いやまあ、謝ってもらっても、とにかく動かなきゃしょうがないのだよ。

　
　それにしても暑い。もう我慢も限界かも・・と思い出した頃、やっと電気がついた。クーラーも動き出した。よし、これで発車するか、と思ったら、まだ動かない。しばらくしてやっと発車した。と、同時にアナウンスが入った。
　
　「この列車は点検のために「おやま」に向かいます」って。
　
　
　まあ、すぐには復旧しないわけね。変な停まり方したから、点検も必要だろう。このぶんだと、１時間遅れ？でもさ、動き出したんだから、だんだんにでも遅れを取り戻して行くか？
　と思いきや、進む新幹線のスピードがなんだか遅い。普通の鈍行列車並。ということは、まだ完全復旧ならず？
　
　
　そこに更に入るアナウンス。
　

　「この列車は、小山まで参ります。お急ぎのところ、誠に申し訳ございませんが、そこで点検のため運休いたします。ご乗車されているお客様は、後続の臨時列車に乗り換えて・・・。」

　ひょええええええーーーーーーーー。

　
　嘘でしょ。運休？「おやま」っていうけど、どこよそここ。んで、降ろされても困るのよ。こんなところ、知らないのよ私・・・。一人ならともかく、連れもいるのよ。

　
　はははっ・・・・・・・・(T_T)。も、こうなりゃ笑うしかない・・・・。

　
　つーことは、状況は思ってたよりかなり悪いってことで、どうすべ？つーか、今日中に行けるの？

　とりあえず、地理がわからないことには、どうにもならない。あわてて座席にあった、ＪＲ東日本の雑誌を開くと後ろにはちゃんと地図と路線図がでている。大宮は過ぎた。その近くで「おやま」というと・・・・。

　
　「小山」だね。でも、「小山」って、まだ栃木？大宮からまだほとんど来てないじゃん！

　そうして、何度か線路上で停車しながらようやく「小山」に到着し、降ろされた私たち。でもって、どうやって盛岡に行くって？

　同じように降ろされた人とともにホームを移動。下りて、登って。で、ホームでひたすら待っていると、「電線にビニールが引っかかったようです。」とアナウンスがあった。
　
　
　はあ〜。でもってそれからどした？

「ビニールの撤去は１３時１７分に完了しました。」ほお、それから？
「後続の臨時列車は１３時２０から動きます・・。」

　　電光掲示板を見ると、確かに列車がくるようだ。　しかし、それは仙台行き。それじゃあ、だめだね。更に次の「はやて＆こまち号」が盛岡にも向かうようだ。

　
　しかし、長い。
　列車は来ない。

　はあーーーーーーーーーーー。

　ようやく来た頃には、時刻はすでに１３時５０分。何と何と、２時間半の遅れ。そしてまた、しょうがないこととはいえ、臨時列車は檄混み。本来「はやて」という列車は全席指定なんだけど、もはや立錐の余地もなく立つ人たち。そして、そのまま仙台まで一時間。たまたま窓もないデッキのトイレの前に陣取る事になった私たち。ひたすら、退屈。次第次第に疲れた人たちは、もはや見栄もなく床に座り込み始めたわよ。仙台をすぎても人混みは解消しない。盛岡につく頃には、ほんっと、疲れた・・・・orz。

　ええ、疲れた・・・。けど、本日の目的地は、岩手大学。

　もうバス使う気なんざあ、ありやせんぜ。高くてもいい、たくしー。
　「ヘイ、たくしー、かもん・・・。」

と言うことで、駅前でタクシーを捕まえて、
「岩手大学まで」とつげ、ようやくついたら　何と１６：００。

　
　すんません。ポスターセッションの開始は、確か３時半でしたね。確か１時半には、盛岡についている予定で、駅か学食で昼食をとって、ポスタートークも聞いて、ゆったりと構えるはず・・・だった・・・orz。

　ああ、学食食べてみたかったよお〜！
　

　そして、明日は、大丈夫でしょうか？

　無性に心配・・・・・・。