夜のイヌ

　夜、階下へそっと降りると、大抵犬たちは寝ている。
　
　１５才のマルクは、ごろんと横になり、近づいても気づきもしない。そっと、側に座って、でも起きないものだから顔にそっと息を吹きかけてみた。さすがに目が覚めたようで、ゆっくりほそーく目を開いて、でもそのまままた目を閉じて寝てしまった。しょうがないから、起こさないようにそのままそっと離れた。

　そんな様子を少し離れた所からジョジョは見ている。ジョジョは降りてきた所からちゃんと知っている。目を開いて、何をしているか、見ている。けれど、動くのは目ばかりで、ごろんと横になった体はそのままなのだ。丸い頭をなでなでする。耳だけが動く。やがて、みているうちにそのまま目を閉じて寝直しに入った。

　夜のイヌは寝てます。

　君たち、番犬は・・・。