紅茶キノコもどき
飲み会があった。仕事のグループの会である。地元の小さなお寿司屋さんでささやかにやった。料理にビールにウーロン茶。そこのウーロン茶はラベルのない1.5lのペットボトルで出てくる。どうやら自分のところでお茶を沸かして冷やしているようだ。
車で来ている人もけっこういたし、お茶はどんどん空いていく。と、向こうで何やら会話をしている。
「これって、何やと思う?」
「紅茶キノコちゃう。」
「今時紅茶キノコなんてないやろ。」
「でも、この丸い毛みたいなんがはえたこれ何?」
「マリモや。」
「お茶の中やで。」
「何か、健康にいいお茶で、そのお茶の葉とか。」
隣の女性の示すコップの中には、確かに2㎝ほどの細かな毛の生えたマリモもどきが沈んでいる。グループ最若手の男性が代表でお店の人に聞きにいくことになった。
しばし後、戻ってきた彼は言った。
「あれ〜、飲まん方がええそうです。」
マジですか?みんなそれまでにかなり飲んでますがな。明日みんな仕事行けるの?
その後入って来た店のおばあさん曰く
「うちで湧かっしょるお茶やけん、おいとったらすぐに澱みたいなんがでるんですよ。悪いもんではないです。」
いえ、それ、十分悪いもんです・・・・。