デュランタとセミ
小雨の午後、庭仕事をしていた。
小雨になったり、霧雨のようであったりする雨は、この時期には意外と気持ちが良い。それに、こんな天気だと、少なくとも紫外線の心配はしなくていいし、草も抜きやすい。
2時間あまり草を抜いて、いい加減飽きたので、剪定にとりかかった。庭の白いデュランタは、今年の冬の寒さで枯れたらしくまだ芽が吹かない。どんどん枝を小さく切って最後に根から引っこ抜いた。高さは1mほどになって、ずいぶん太くもなっていたけれど、デュランタは根が浅いので何度か向きを変えながら引っ張ったら、ばりばりと音を立ててぬけた。
抜けた根の切れた断面を見てみると、クリーム色でまだ生きている。ちと気が早すぎたようだ。まあでも、さすがに植え直してもダメだろう。
諦めて、抜いた後ごっそり浮き上がった土を戻しておこうと地面をみると、何かが動いているのに気づいた。
見ると、これ。
大きさからして、少なくとも右はクマゼミの幼虫。とにかく慌てて埋めてやろうと土をかき分けると更に2匹、計4匹のセミの幼虫がいた。どれも大きくて、今年の夏か、遅くても来年の夏には出てきそうだったけれど、餌としてしただろうデュランタを引っこ抜いてしまったので、餌をうまく採れるかどうかはわからない。けどまあ、手の上で一生懸命潜ろうとする力はかなり強かったので、その力で土を掘り新しい根を見つける事を祈って、とりあえず埋め戻した。
セミの幼虫がこれほどたくさん出てくるなんてことは、初めてだ。