hyla’s blog

はてなふっかーつ!

今日は社会学

 

 夏休み最終日の今日、32℃なら涼しく思える・・・。って、私の夏休みはそのあまりの暑さに、ひたすらに本を読むことで過ぎてしまったわ。これって建設的なのか、それとも非建設的なのか?

 
 ともあれ、夕べから今日にかけては、気がついたら社会学系の本ばかり2冊。と言っても、真面目な教科書なんかではなくって、両方とも抜群におもしろい本でこの2冊。
 

 

反社会学講座 (ちくま文庫)

反社会学講座 (ちくま文庫)

 
結婚の条件 (朝日文庫 お 26-3)

結婚の条件 (朝日文庫 お 26-3)

 
 反社会学講座は、本の初めの注にもあるとおり、「社会学社会学者を批判しているにもかかわらず、結果的に本書は非常に優れた社会学の入門書」になっている。「トンデモな結論を如何に説得力のあるものとして示してみせるか」の好例のオンパレードで、読みながら「ふふっ」と笑えるのだけど、そういうところからして注意しなくてはいけないよねえ。そういう実に説得力のありそうな本書の主張もまた疑ってかかるのが重要。何事も疑ってかかること、つっこみどころを常に探してみること、そういう姿勢が物事の基本ということを教えてくれる。
 同じ作者の書いた本のタイトルが「つっこみ力」であったことが実にすんなりと納得できる次第。「つっこみ力」を見たときには、また「○○力」シリーズか、と思って手にもとらなかったのだけど、今度読んでみたいなあ。

 
 そして2冊目は小倉千加子。フェミ系の本としては上野千鶴子と双璧をなす(と個人的には思う)おもしろさ抜群の小倉千加子の本だから一度は読んで見たかったのだけど、置き場の問題を考えると躊躇していた。それが文庫になってたものだから、ついつい購入。そして読んでみてやっぱおもしろい。特に分析の鋭さはただ者ではない。こう、見栄と外聞でできている「結婚」という現象の裏にあるものを鋭くえぐる分析、それをまた明快な言葉示す訳でこりゃ確かに「芸のあるフェミニスト!」
 
 でも、楽しく読ませてくれるのだけど、実際のところ提示しているビジョンはすご〜く暗いのだよね。だって、「少子化の原因は晩婚化にあり、それって男女の双方の求めるもののすれ違いで、更にその原因の根本が「戦後の日本女性の意識」という「巨大なねっこ」にあるのなら、何したってダメじゃん。本の最後で著者が示す「幸福な結婚という夢を実現した一部のものへの復讐の時代がこれから始まる」として、どうなっていくのだろう。そういう敗者のルサンチマンはどこへ向くだろう。
 
 (どちらかというと)高学歴の負け犬(女)達は、基本的にプライドが高い。だから、如何なる状況におかれても、弱音を吐こうとはまず思わない。となれば、内外からの「結婚・子育てをしてない負け犬」との圧力が高まれば、自滅するだろうな〜。これから自殺が増えるかも。それに対して、(どちらかというと)低学歴の男性は、虚勢をはって攻撃行動に向かうのでは?(これは完全に想像)

 
 ま、どっちにしても社会の安定は今よりは悪くなるだろうけど、それって「永遠に退屈が続く」という「平和と安定=不動の状況」に対して呪いにも似た感覚を抱く若者には福音?

 

 ま、もしそういう状況が福音ではなく呪詛と思う人は、解決の為に結婚率を上げれば言い訳で、そうするとまずは「結婚したい」とい明確に認識し、それに向かって努力することなんだろうなあ。こうした本を読めば、男性が女性に求める条件はすぐにわかる。だから、不動の4条件である「可愛い、賢い、家庭的、軽い(体重が)」を満たしている(ように見せる)事が重要なわけだ。
 だから、「あたしはこんなにバカなの〜」と自分では卑下してこびて見せているつもりで、まかり間違っても「最近忙しくてあんまり本なんか読んでないんです。小倉千加子くらいかな?」とか口走っちゃダメ。結婚したいと思うなら、フェミ本を読んでるなんて事は絶対言っちゃあいけないだろうし、ビジネス本も社会学も自然科学もまずいだろうし・・・。と、とっさに書名が浮かばないあたりでネコかぶれません。ついでに、自己紹介で本を持ち出そうとするところで、ますますダメダメじゃん。
 
 
 という私は、上野千鶴子遙洋子中村うさぎも、もちろん小倉千加子も好きですけどそれが何か〜?

 来るなら来やがれ!って・・・・あれ?






 まあ、脱線してしまいましたが、あとこの2冊に共通する要素として、語り上手というのがあるだろう。反社会学講座の帯には「つまらない学問は罪である」という言葉が書かれている。その通り、この2冊は、読むことが本当に楽しい。こうした語り口はプレゼンを商売とする人(各種芸人さんとか各種先生とか)にとっても大いに参考に成るところではないだろうか。機会があったらどちらの講演(授業)でも是非聴きたいもんだ。