hyla’s blog

はてなふっかーつ!

とーとつにやってきた

こんな子


 夕方、へとーっとへばっていた所へ、同僚の男性が来て言った。
「なんか、鳥の雛を拾ったそうなんです。今、持ってくると思うからよろしく。」

 は?

と思う間に消えた彼と入れ違いに、女の子が2人やってきた。

「あの、これ、落っとったん。」
差し出すものを見ると、かなり大きな、けれどまだ生まれたばかりの目もあいていない鳥の雛だ。スズメかそこら辺の雛が来るかと思いきや、これは・・・・。
「これって、何。スズメとはちがうん?」
「スズメって、大人でもこのくらいで。これは、どう見てもかなり大きい鳥。ドバトあたりではないかな?」
 
 と、答えながらデジカメを引っ張り出した。とりあえず、記録である。電源を入れて、マクロモードになっていることを確認してレンズを近づけると、いきなり細い頸を精一杯にのばし、体の割に異常に大きく目立つ口を目一杯に開けて鳴きだした。
「ピヨヨヨ、ピョロロ」
 頭を震わせながら鳴く、そのクチバシの内部はオレンジがかった黄色で目立つことこの上ない。薄暗いところでもぱっと目立って親鳥にアピールするようになっているのだろうか。または、この色が親鳥の給仕行動を引き出す鍵刺激になっているのか。

 いずれにせよ、この行動が出ると言うことは「お腹が空いた!餌をくれ!」と言うことに他ならない。慌てて何かやるものがないかどうか探した。そしてようよう見つけ出したご飯をピンセットでつまみ、あんぐりと開けた口に入れてみた。目もあいていないくせに、口に入れた食べ物に対する反応は驚くばかりだ。頭を上下させながら大急ぎで飲み込む。で、また大口を開けて待っている。
 3,4回餌を入れてやると、素嚢にたまった餌が薄い皮膚を通して見えるようになった。雛鳥は、そのまま動かなくなった。「食ったから、寝る」って奴だ。

 手近にあったミニタオルにくるんで机に起き、ため息をつく。

 ってねえ、雛は育てにくいんですう!それでもがんばって育てることはできるけど、そしたら自分の仕事ができないじゃあないか!しかもこれって、差別をする訳じゃないけれど、多分ドバトだろうしねえ・・・。
 
 
どうかお願いです。鳥をもらうのはとっても嬉しいです。でもできましたら、死んだものだけで結構ですので、雛鳥は拾わないでくださいな。

 心からの、お願い・・・。