hyla’s blog

はてなふっかーつ!

鳥を追う


 朝から雨が降ったりやんだりで、天気が悪い。でも、台風も近づいてきていることだし、そうなると明日はもっと降って散歩しづらいだろう。なのでk今日のうちにしっかり運動してもらうべく、小雨の中カイ君を連れて、いつものダムの奥の林道へ行った。

 
 家を出るときにはほとんど雨は止んでいたのに、車で走っているとぽつぽつ雨粒が当たりはじめ、林道に入る頃にはまたもや雨。でも、カイ君はすっかりやる気になっているから、ここで引き返すわけにもいかない。仕方なく、傘をさして歩き始めた。カイ君は放すと、一気にかっ飛んでいく。

 しきりに斜面を気にしてふんふんしているかと思うと、斜面を駆け上る。そうなると、いくら止めても聞かない。それでも、いつもある程度したら戻ってくるから待っていると、今日はいきなりずいぶん先の道の先からキャンキャンというカイ君の鳴き声が聞こえてきた。これは、何かに会ってしまったな。

 ちょっと焦りながら大声で呼ぶと、道の向こうから元気に走ってきたし、全身チェックしてもとりあえずケガはない模様。犬種の特性か、カイ君はほとんど鳴かなくて、山で鳴くのはたいてい何か獲物に会ったときだ。今回は悲鳴だったから、たぶん喧嘩してもかなわないような獣にあったのだろう。時期的にちょうど栗の時期だし、イノシシにでも会ったかな?雨だから人が動かない分、日中でも動物はゆっくり活動していそうだ。とにかく、ケガがなくてよかった、よかった。

お座りをさせて、
「遠くへ行ったらあかんよ。すぐに戻って来んとダメよ。見えんところで帰れんようになっても、助けてあげれんので。」
と言い聞かせてみたけれど、すぐにまた走り始めたカイ君は、ちっとも懲りた風はない。


 そして、今度はこんなところで藪に潜っていく。

 細い流れのあるところで、周囲にはウラジロが茂っている。と、いきなりバタバタと音がして、大きな鳥が山の奥の方へ飛んで行った。ヤマドリかな?こうなるとカイ君は一気に興奮して、鳥の飛んだほ方を追いかけていき、また帰ってきて飛び立った場所を嗅いで、また追いかけていく。
「帰っておいで、もう逃げたよ。もうええやろ。」
と声をかけて、来た道を帰り始めると、嬉しそうに走ってきた。


 私がよく歩くこのルートは、ヤマドリが多いように思う。ここで散歩していると、猟季にはセッターを連れて猟をしている人によく合うから、ここは良い猟場なんだろう。私は猟はしないし、ここに来る目的はヤマドリではなく、ほどほどに歩きやすくて生き物もいろいろ観察できるからなんだけど、来るたびにカイ君は鳥を探し出してご機嫌。そして私は、ヤマドリを夢中で追って、カイ君が帰ってこれなくなるようなことがないかとても心配。


 先日も、山中で身動きできず、呼んでも帰ってこないことがあった。

 
 藪に入って行ったカイ君が一向に帰って来ないから、探しに行くと姿は見えないけれど、山の中から「くううん」と鳴く声がした。大きな声で連続して鳴いてくれればいいのに、たまに「くううん」と鳴くだけ。確かに近くにいるはずなのに、呼んでも戻って来ないし、どうしよう?と泣きそうな気分でいたら、谷の向こうの斜面にカイ君を発見。ところが、目が合って呼んでも来ない。どうやら動けない感じ。
 そこで、覚悟を決めて斜面をずりおりて谷の向こうに這い登り、カイ君のところにようやくたどり着いた。すると、カイ君はこんなことになっていた。

 細い5mmほどのツルをまたいだ状態で、動けなくなっている。近づいてツルを引っ張り、またがせてやると嬉しそうにまた走りまわった。

 
 前回は何とか見えるところにいたし、私が行けるところだったから対応できた。でも、カイ君は結構斜面の高いところまで上っていくし、そんなところで動けなくなったら、と思うと本当に怖い。だから、鳥を追ってほしくはない。だのに、ここはヤマドリが多いし、そうなるとカイ君は追いかけずにはいられないようだ。自由に走り回らせてはやりたい。でも、帰ってこれなくなるのは嫌。本当に、どうすればいいんだろう。困ったなあ…。


 そんな飼い主の気も知らないで、その後もカイ君はご機嫌に走り回り、車に戻るまでに更に一羽、鳥を出しましたとさ。ひっつき虫まみれになりながらね。
 

 はあ…。犬用GPSが欲しい。高くても(10万くらいするらしいけど)、買うべきなんだろうか…。